収益物件(収益不動産)を高く売る方法や売却時の注意点を紹介
アパートや賃貸店舗等の収益物件をお持ちの方の中には、売却を考えている人もいらっしゃると思います。
収益物件の売却は借主がいる状態で行うことから、家賃や敷金が存在し、自用の不動産(土地と建物の所有者が同じ)の売却と比べると若干複雑です。
収益物件の売却はどのように進めていけば良いのでしょうか。
今回の記事では、収益物件を高く売る方法や売却時の注意点などについて詳しく解説しています。
目次
- ○ 収益物件(収益不動産)とは
- ○ 収益物件(収益不動産)の売却価格の決まり方・計算方法
- ・収益還元法
- ・原価法
- ・取引事例比較法
- ○ 収益物件(収益不動産)を売却するメリット
- ・利益と損益を確定できる
- ・まとまった資金を得ることができる
- ・入居者を募集する手間がかからない
- ・修繕費用の発生や金利上昇のリスクを負わない
- ・売却益を他の用途に使える
- ・投資用ローンを完済できることも
- ○ 収益物件(収益不動産)を売却するデメリット
- ・定期的な収益が得られなくなる
- ・売却から現金化までに時間がかかる
- ・オーナーチェンジ物件はトラブルになる可能性も
- ・売却タイミングによっては損することも
- ○ 収益物件(収益不動産)を高く売却するためにやること
- ・適正価格で売りに出す
- ・高く売却できるタイミングを狙う
- ○ まとめ
収益物件(収益不動産)とは
マンション・アパート・一戸建てなど
収益物件には、アパートや一棟マンション、区分の賃貸マンション、戸建て賃貸等の住居系の賃貸物件があります。
その他として、シェアハウスや賃貸併用住宅も収益物件に該当します。
店舗・ビルなど
賃貸店舗やテナントビル、貸し倉庫、貸し工場、一棟貸しのビジネスホテル等の事業系の不動産も収益物件に該当します。
その他として、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、保育園等も収益物件です。
次に収益物件(収益不動産)の売却価格の決まり方・計算方法について見ていきましょう。
収益物件(収益不動産)の売却価格の決まり方・計算方法
収益物件(収益不動産)の売却価格の決まり方・計算方法
収益還元法
原価法
取引事例比較法
収益還元法
収益物件の価格は、主に収益還元法によって決まります。
収益還元法とは、収益を利回りで割ることで価格を求める手法のことです。
原則的な収益還元法の式は、以下のようになります。
価格 = 年間収益 ÷ 還元利回り
年間収益とは、年間の家賃収入から費用を差し引いた利益のことです。
還元利回りとは、年間収益に対する利回りのことを指します。
また、収益還元法では、簡易的に年間家賃収入と表面利回りを用いて求める方法も存在します。
簡易的な収益還元法の計算式は、以下の通りです。
価格 = 年間家賃収入 ÷ 表面利回り
表面利回りとは、年間家賃収入に対する利回りのことを指します。
原価法
原価法とは、土地価格と建築費のコストに着目して価格を求める手法です。
原価法の計算式を示すと、以下のようになります。
価格 = 土地価格 + 建物価格
収益物件では、基本的に原価法は使用しません。
ただし、収益物件でも取り壊し前提の建物の場合は、原価法が用いられる場合があります。
例えば、1〜2戸しか入居者がいない築古のアパートを売却する場合です。
収益物件を取り壊す際は、残った入居者を退去させる立ち退き料と取り壊し費用が必要です。
取り壊し前提の収益物件の価格の求め方を示すと、以下のようになります。
積算価格 = 土地価格 - 立ち退き料 - 取り壊し費用
取引事例比較法
取引事例比較法とは、類似の取引事例を参考にしながら価格を求める手法のことです。
取引事例比較法の計算式は、以下のようになります。
比準価格 = 事例の価格 × 補正率
取引事例比較法も、収益物件では基本的に使用しません。
ただし、取り壊し前提の収益物件の価格を計算するときは、土地価格を求めるために取引事例比較法を使用します。
収益物件(収益不動産)を売却するメリット
・利益と損益を確定できる
・まとまった資金を得ることができる
・入居者を募集する手間がかからない
・修繕費用の発生や金利上昇のリスクを負わない
・売却益を他の用途に使える
・投資用ローンを完済できることも
利益と損益を確定できる
収益物件を売却すると、その物件から得られる収入はなくなります。
その結果、今まで投資を行ってきた利益と損益を確定できます。
まとまった資金を得ることができる
収益物件を売却することで、まとまった資金を得ることができます。
子供の学費や自分の老人ホームへの入居費用等のまとまった資金が必要となった場合には、売却によって資金を調達できる点がメリットです。
入居者を募集する手間がかからない
収益物件を売却すれば、入居者を募集する手間から解放されます。
長期間、空室で悩んでいる物件であれば売却することも一つの解決方法です。
修繕費用の発生や金利上昇のリスクを負わない
収益物件を保有すると、今後、必要となる大規模修繕が増えていきます。
また、変動金利のローンを組んでいる場合、金利が上昇すればローンの返済額が増加するリスクがあります。
修繕費用の発生や金利上昇は将来発生するリスクであるため、早めに売却することで回避できる点がメリットです。
売却益を他の用途に使える
売却で得た資金は、他の用途にも使えます。
オフィスビルを売却して賃貸マンションに買い替えることもできます。
また、用途を変更するだけでなく、買い替えによって築年数や立地等をより良い条件に改善できることもメリットです。
投資用ローンを完済できることも
投資用ローンが残っている場合には、売却によってローンを完済することもできます。
空室が増え、家賃収入が減り、借入金の返済に窮してきた場合には、売却でローンを完済できることが大きなメリットです。
収益物件(収益不動産)を売却するデメリット
・定期的な収益が得られなくなる
・売却から現金化までに時間がかかる
・オーナーチェンジ物件はトラブルになる可能性も
・売却タイミングによっては損することも
定期的な収益が得られなくなる
収益物件を売却すると、定期的な収益が得られなくなる点がデメリットです。
引き続き収益を得たい場合には、新たな収益物件に買い替えることが必要になります。
売却から現金化までに時間がかかる
収益物件に限らず、不動産は上場されている株式と比べると流動性の低い資産です。
現金化するまでに時間がかかる点がデメリットとなります。
オーナーチェンジ物件はトラブルになる可能性も
オーナーチェンジ物件とは、収益物件のことを指します。
オーナーチェンジ物件は、借主が入居中であるため、買主は物件の中を内見せずに購入することが通常です。
そのため、売却後に不具合が発見され、トラブルになる可能性もあります。
売主は、契約不適合責任を負っています。
契約不適合責任とは、売却後に不具合が発見された場合、買主から損害賠償や契約解除、修繕等の請求を受ける可能性のある売主責任のことです。
オーナーチェンジ物件を売却するのであれば、買主が内見できない部分について売主の契約不適合責任を免責する契約にしておくことが望ましいといえます。
売却タイミングによっては損することも
売却タイミングによっては、損することもある点がデメリットです。
例えば、不動産市場が低迷しているときは、購入時よりも価格が安くなることもあります。
また、築年数が相当に経過した後に売れば、物件の価値が大きく下落していることが多いです。
収益物件(収益不動産)を高く売却するためにやること
・適正価格で売りに出す
・高く売却できるタイミングを狙う
適正価格で売りに出す
高く売るには、少なくとも適正価格で売りに出すことが必須です。
安過ぎて損をしてしまう価格や、高過ぎて全く売れない価格は避け、あくまでも適正な価格で売ることが最も高く売ることに繋がります。
高く売却できるタイミングを狙う
収益物件は、低金利環境のタイミングで売ると高く売ることができます。
収益物件の価格は、収益還元法によって決まります。
分母の利回りは金利と連動しており、金利が低い時期は投資家が求める利回りも低くなることから、結果的に収益還元法で求められる価格は高くなります。
そのため、昨今のような低金利環境のときは収益物件の売却に適しているタイミングです。
まとめ
収益物件、ご売却する上でのご査定方法や、売却するメリット・デメリットをご説明させていただきました。
収益物件お持ちの方でご売却をお考えの方はぜひ、弊社にまず査定依頼を頂けますと幸いでございます。
心よりお待ちしております。